災害が起きたとき、人と一緒に暮らす動物たちにもさまざまな問題が起こります。
避難による環境の変化で体調を崩したり、いつもの動物病院へ行けなくなったり、必要な薬が手元になかったり。
驚いて家から飛び出し、行方がわからなくなってしまう猫ちゃんもいます。
今回の活動でも、最初から診療だけを目的に現地へ入ったわけではありません。
まず必要になったのは、迷子になった猫ちゃんの捜索や、現地で何が求められているのかを確認することでした。
被災地では、外から支援に入った私たちだけで判断して動くことはできません。
熊本県獣医師会や行政などの関係機関と情報を共有し、地域の状況を確認しながら、必要な支援を一つずつ組み立てていきました。
ウィング松橋で無料診療を実施しました
現地との調整を進め、今回はウィング松橋を会場として、被災した方々が一緒に暮らす猫ちゃんやワンちゃんの無料診療を行いました。
診察では、一頭一頭の体調を確認し、その場で対応できる診療や治療を行いました。
災害時には、動物の体調が悪くても、
「今は自分たちのことで精いっぱい」
「いつもの病院へ行くことができない」
「この程度で診てもらっていいのかわからない」
と、受診をためらってしまうことがあります。
だからこそ、私たちが現地へ行き、動物医療につながる場所をつくることに意味があると考えています。
今回の無料診療では、2日間で合計42頭の猫ちゃん・ワンちゃんを診察しました。
災害時の動物医療は、「診察すること」だけではありません
災害動物医療というと、被災地で獣医師が診察や治療をする姿をイメージするかもしれません。
もちろん、それは大切な役割の一つです。
一方で、実際の被災地では、診療を始めるまでにも多くの調整が必要です。
どこに動物がいるのか。
どんな支援が必要なのか。
どこで診療できるのか。
地域の獣医療とどう連携するのか。
そして、迷子になった動物の捜索や飼い主さまからの相談など、診察室の中だけでは完結しない問題もあります。
今回の熊本での活動でも、現地に入って状況を確認し、関係機関と調整を重ねたうえで無料診療につながりました。
必要な場所に、必要な動物医療を届ける。
そのためには、獣医師や愛玩動物看護師だけではなく、行政、獣医師会、地域の方々との連携が欠かせません。

開院翌日に熊本へ向かった理由
ルル キャットクリニックを開院した翌日に熊本へ向かうことについては、簡単な判断ではありませんでした。
新しい病院を開院したばかりで、当然、院内にもやるべきことはたくさんあります。
それでも熊本へ向かったのは、災害が起きたときに動物医療を必要としている場所へ行くことも、獣医師として大切にしてきた活動の一つだからです。
普段は相模原市のルル キャットクリニックで、目の前の猫ちゃんと飼い主さまを診療する。
災害が起きたときには、V-CATS JAPANの仲間たちと必要な地域へ向かう。
場所は違っても、私たちがやろうとしていることは同じです。
目の前にいる動物と、その動物を大切にしている人の力になること。
これからも日々の診療を大切にしながら、災害時に動物たちが取り残されないための活動を続けていきたいと思います。
ご協力いただいた皆さまへ
今回の活動は、V-CATS JAPANだけで実現できたものではありません。
現地での活動にご協力いただいた熊本県獣医師会 小澄会長、環境省、熊本県、家畜保健衛生所の関係者の皆さま、そして支援活動を受け入れてくださった地域の皆さまに、心より御礼申し上げます。
また、被災後の大変な状況のなか、私たちに大切な動物たちを任せてくださった飼い主さまにも感謝申し上げます。
今回の経験を今後の災害動物医療支援にもつなげていきます。
ルル キャットクリニック
院長 椿 直哉
熊本地震の被災猫と家族を支え続けたい!
猫専門の災害医療レスキューチーム「V-CATS JAPAN」のクラウドファンディングはこちら






