猫ちゃんが急にごはんを食べなくなると、「今日一日は様子を見ても大丈夫?」「何時間食べなかったら病院へ行くべき?」と迷う飼い主さまも多いと思います。
ひとつの目安として、健康な成猫でも、丸1日近くほとんど食べていない場合は動物病院へ相談することをおすすめします。
ただし、これは「24時間までは待ってよい」という意味ではありません。
普段はよく食べる猫ちゃんが急に食べなくなった、好きなおやつにも反応しない、元気がない、吐いているなど、いつもと違う様子がある場合は、時間を待たずにご相談ください。
子猫ちゃん、シニアの猫ちゃん、持病のある猫ちゃん、肥満傾向の猫ちゃんでは、さらに早めの判断が必要になることがあります。
時間を待たずに受診したいサイン
ごはんを食べないだけでなく、次のような症状がある場合は早めの受診をおすすめします。
- ぐったりして反応が悪い
- 何度も吐いている
- 水も飲めない
- 呼吸が苦しそう、口を開けて呼吸している
- トイレに何度も行くのに尿が出ない
- ふらつく、立てない
- よだれが多い、口を痛そうにしている
- 皮膚や白目、歯ぐきが黄色っぽく見える
特に、呼吸が苦しい、尿が出ない、意識がぼんやりしているといった場合には緊急性があります。
「何時間食べていないか」だけでなく、猫ちゃん全体の様子を見ることが大切です。
猫ちゃんが食べなくなる原因はいろいろあります
食欲不振の原因はひとつではありません。
環境の変化やフードの好みといった比較的軽い理由もあれば、口の中の痛み、胃腸の不調、腎臓病、膵炎など、治療が必要な病気が隠れていることもあります。
そのため、「食欲がない」という症状だけから原因を決めることはできません。
特に猫ちゃんは体調の悪さを隠すことが多く、食べなくなったことが最初に気づく変化ということもあります。
肥満傾向の猫ちゃんは特に注意
猫ちゃんでは、食べない状態が続くことによって「肝リピドーシス(脂肪肝)」という病気につながることがあります。
特に肥満傾向の猫ちゃんではリスクが高いことが知られています。
そのため、「48時間食べなかったら受診すればよい」という考え方ではなく、明らかな食欲低下が続いている時点で早めに相談することが大切です。
ご家庭で確認してほしいこと
食欲が落ちていることに気づいたら、まず「全く食べていない」のか、「いつもより量が少ない」のかを確認してみてください。
診察の際には、次のような情報がとても参考になります。
- 最後に普段どおり食べたのはいつか
- 全く食べないのか、少量なら食べるのか
- ドライフードは食べないがウェットフードなら食べる、など食べ方に変化があるか
- 水は飲んでいるか
- 吐いていないか
- 尿や便は普段どおり出ているか
- 元気や動き方に変化がないか
- 最近、体重が減っていないか
ごはんの前までは行くのに食べない、口に入れても落としてしまうなどの様子がないか
「食欲がない」のではなく、食べたいけれど食べられない猫ちゃんもいます。
例えば、口の痛みや吐き気などがあると、ごはんのところまでは行くものの、匂いを嗅いでやめてしまったり、口に入れても食べるのをやめたりすることがあります。
こうした様子は、可能であればスマートフォンで動画を撮っておいていただくと診察の参考になります。
動物病院では何を確認する?
まずは体重や体温、脱水の有無、口の中、お腹の状態など、猫ちゃん全体を診察します。
そのうえで、年齢や症状、これまでの病歴などから必要と判断した場合には、血液検査や尿検査、画像検査などを行い、食欲が落ちている原因を探します。
すべての猫ちゃんに同じ検査を行うわけではありません。
診察や検査の結果を踏まえ、吐き気や脱水への対応、痛みの治療など、猫ちゃんの状態に合わせた治療を行います。食べられない状態が続いている場合には、必要に応じて栄養サポートについても検討します。
院長からひとこと
猫ちゃんの診察をしていると、「全く食べない」だけでなく、
「食べる量がいつもの半分くらいになった」
「ごはんのところまでは行くのに食べない」
「ウェットフードなら少し食べる」
といった変化から病気が見つかることがあります。
そして、診察で意外とよくあるのが、体重を測ったときのこんなやり取りです。
「あれ?体重減ってるね。何かあった?」
「いや、いつも通り食べてるんだけど……」
ところが、詳しくお話を聞いてみると、実は少しずつ食べる量が減っていた、ということがあります。
毎日一緒に暮らしていると、ゆっくり起きている変化には意外と気づきにくいものです。飼い主さまからすると「ちゃんと食べている」と思っていても、以前と比べると食事量が少しずつ減っていることがあります。
だからこそ、僕は猫ちゃんの体重を定期的に測っておくことをおすすめしています。
食欲はどうしても感覚的な評価になりがちですが、体重は数字として変化を残すことができます。特にシニアの猫ちゃんでは、体重の変化が体調の変化に気づくきっかけになることもあります。
大切なのは、「何時間食べなかったか」だけではありません。
飼い主さまが感じる「いつもと違う」という感覚と、体重のように数字で確認できる変化。その両方を見てあげることが、猫ちゃんの体調変化を早く見つけることにつながります。
「まだ1日経っていないから」と無理に待つ必要はありません。食欲や体重について気になる変化があれば、お気軽にご相談ください。
まとめ
健康な成猫ちゃんでも、丸1日近くほとんど食べていない場合は受診を考えるひとつの目安になります。
ただし、24時間は「待ってよい時間」ではありません。
子猫ちゃん、シニアの猫ちゃん、持病のある猫ちゃん、肥満傾向の猫ちゃんや、元気がない・吐いている・呼吸がおかしいなど他の症状がある場合は、もっと早い段階での相談が必要です。
猫ちゃんの食欲について「いつもと違うな」と感じたときは、時間だけで判断せず、その変化を大切にしてください。
相模原市で猫ちゃんの食欲低下についてお困りの飼い主さまは、ルルキャットクリニックまでご相談ください。





